障害と就職

障がい者にとって重要なのは雇用でなく、雇用継続であるということ

・障害者雇用における現状 その1

平成25年。障害者雇用に関して、自治体だけでなく民間企業にも一定の割合で障害者を雇用することが義務になりました。

平成30年にはその率が上がり、33年(令和3年)には従業員43.5人以上の企業においては2.3%を確保することが義務となります。

障害者雇用において民間企業がこれまで最も重視していたのは、物理的なバリアフリーでした。

例えば多目的トイレの設置やオフィス内のバリアフリー化などです。

 

というのも、古くから「障害者雇用」はすなわち身体障害者の雇用であった時代がわが国では長かったのが原因と思われます。

事実、現在最も多く雇用されている障害者は身体障害の人であるからです。

しかし実情は変わりつつあります。

近年急速に精神障害、あるいは第4の障害と呼ばれる発達障害等の人が急増しているためです。

障害者雇用の新規件数自体も増えていますが、圧倒的に精神障害などの需要が増えています。

厚生労働省の資料によると、平成18年度の障害者雇用における身体障害者の割合は約58%でした。

これが平成28年度には約29%となっています。

 

雇用実績は倍増しているのも関わらずです。大きな要因は精神障害の人の割合が急増しているためです。

平成18年度における精神障害者の就職数は約6700件。全体の15%程度でした。

これが平成28年には41300件、44%と急増しています。

精神障害等の方が急増したことにより、障害者向け求人にこれらの方が多く応募していることがわかります。

 

・障害者雇用における現状 その2

では従来身体障害が主だった障害者雇用に精神障害等の方が多く参加した結果、どういう現象が起きたでしょうか。

障害枠で雇用された人たちの平均勤続年数が、同じ厚生労働省の資料で見ることができます。

身体障害の方はおおむね10年前後と安定しているのですが、精神障害の方は4年から6年程度にとどまっています。

障害の特性上、致し方ない部分もありますが短いのが見て取れます。

目線を変えると、採用する企業からしたら教育やフォロー、人材のやりくりに苦労しているであろうことがうかがえます。

身体障害の方で退職した理由は、健常者と同じような「人間関係」「業務内容」「福利厚生」がある一方「移動手段の配慮」「通勤の手段」など物理的な要因が主になっています。

一方の精神障害等の方は環境が変わるストレスや、業務で必然的に生じるストレスに適応できない等のソフト的な要因が多くなっています。

同じ障害者を雇用しても継続しない要因に違いがあることを企業は着眼すべきでしょう。

 

・サポート体制の充実

身体障害の方のために物理面でバリアフリーを実現しても、それだけで彼らが定着するとは限りません。

その変化を受容して受け入れる社内のメンタリティーが必要です。

例えば、従来の社員がバリアフリー化されて健常者からすれば行き来がめんどくさくなったこと等を障害者に当たるなど、些細なことも現場管理者は気を付ける必要があります。

また精神障害等の方に関しても、定期的な面談や聞き取りを実施してあげることが重要です。

ちゃんと気にしてあげているということをアピールするだけで、彼らは気が楽になって本来のパフォーマンスを発揮してくれます。

一番大事なのは、現場の管理者が従来の流れに捕らわれず、自分が逆の立場だったらと考えて先回りしてあげることです。

障害者だからと言って腫物に触るような対応が一番いけません。

働きに来ている以上、彼らも同じ労働者として扱うべきです。

労働者としての尊厳と、人としてできることできないことを見極めてのハード面、ソフト面の配慮が求められているのが障害者雇用の現状と言えるでしょう。

就労継続支援施設の職員として働いていました

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